2016年07月

2016年07月30日

盛夏

盛夏、早朝の公園で
無数のお父さんたちが
必死に自分を主張する

時折お母さんの声もする


mengly at 08:29|Permalink詩風録 

2016年07月28日

畑のお地蔵さん

農家の人たちが寝静まった頃
お地蔵さんたちがやってきて
緑色の大きな玉や小さな玉に
せっせと黒い線を書いていく
「この玉の中は赤いんだって
「甘い汁が詰まっているって
「そろそろ腹も減ってきたな
「一つ割って食べてみようか
「よせよせ修行中なんだから
せっせと黒い線を書いていく


mengly at 05:45|Permalink詩風録 

2016年07月22日

1974年のLP盤

このアルバムを聴くと当時の店の
大音量のBGMと派手な装飾物と
そこでレコード盤を買う昂ぶりと
下腹からくるモゾモゾ感と喜びと
針を落とす時の緊張感とプチ音と
一曲目が始まる前のパチパチ音と
レーベルに描かれた妙なマークと
レコードスプレーのにおいが甦る。


mengly at 18:43|Permalink詩風録 

2016年07月20日

真夜中のマンション

今更ながら思う。ぼくの体の
数メートル数十メートル上で
数メートル数十メートル下で
数メートル数十メートル左で
数メートル数十メートル右で
顔もよく知らない赤の他人が
ゴロゴロと寝ているのである。


mengly at 03:58|Permalink詩風録 

2016年07月19日

1983年7月、突然の現実

まさかあの日あそこで彼女に会えるとは
思ってもいなかったもんだから、ぼくは
本当にびっくりして焦ってしまったんだ。
彼女に会ったら絶対にこの想いを告げて
思春期からの胸のつかえを取り除こうと
いつもいつもぼくは思っていたんだけど、
実際に会ったら気持が凍りついてしまい
何をどうしていいのかわからなくなって
なぜかトイレの案内板ばかり眺めていた。
きっと彼女は変な奴と思ったことだろう。
突然の現実に、現実を失った一日だった。


mengly at 12:08|Permalink詩風録 

2016年07月12日

諸事情さん

私の背中の後ろには
諸事情がはびこって
密かに人生狂わせる

私の頭の少し上には
諸事情が浮んでいて
いつも事を荒立てる

私の左膝の皿の上に
諸事情が居すわって
中々立ち上がれない

私の肩の右上辺りに
諸事情が乗っていて
彼らに賛同できない

私の後ろの長い影を
諸事情が踏みつけて
思うように進めない


mengly at 05:15|Permalink詩風録 

2016年07月05日

今日の夏は疲れます。

雲を脱ぎ捨てた太陽が
体を焦がしにくるので
今日の夏は疲れます。

不快指数を上げる風が
肌にまとわりつくので
今日の夏は疲れます。

頭から流れる汗の粒が
角膜を覆って痛いので
今日の夏は疲れます。

街に漂う焼肉の臭いが
鼻の中にはびこるので
今日の夏は疲れます。

昼夜途絶えぬ蝉の声が
耳の中で鳴り響くので
今日の夏は疲れます。

冷房風が体にぶつかり
首の凝りをさそうので
今日の夏は疲れます。

兎にも角にも夏全体が
暑くまとわりつくので
今日の夏は疲れます。


mengly at 08:28|Permalink詩風録