2015年10月
2015年10月15日
学園通り
1,
その高校は市の中央にそびえる
山の中腹に建っている。バスを
麓で降りて、そこからは歩いて
狭く長い坂道を登ることになる。
春や秋は様々な花が咲いていて
長い坂を忘れさせてくれるけど
夏や冬はその坂道が地獄と化す。
夏は所々の急な勾配と陽射しで
朝から汗まみれになってしまう。
冬はさらに酷くて、雪が降ると
坂は凍結してしまい、ちょっと
バランスを崩すと転んでしまう。
だからだろうか、女子の制服の
スカートは他校よりも少し長い。
2,
通りは朝方と夕方は生徒たちの
行き帰りで賑わっているものの
それ以外の時間帯は付近に住む
お年寄りが歩いているくらいで
人を見かけることはあまりない。
だから学校を抜出ても住民から
通報されることはほとんどない。
ただお年寄りも男女交際だけは
敏感で、おたくの生徒が通りで
いちゃいちゃしてましたぞとか、
バス停でキスしてましたぞとか
通報してはことを荒立てている。
3,
その坂道の一つ向うの通りには
江戸期の有名な上人が建てたと
言われている寺が存在している。
そのため通りは門前町風造りで
山門前まで商店が連なっている。
その近くにあられ工場があって
終日その香りが街を覆っている。
その香りに包まれて生徒たちは
急な坂をダラダラと登っていき、
その香りに包まれて生徒たちは
坂をいちゃいちゃと下っていく。
その高校は市の中央にそびえる
山の中腹に建っている。バスを
麓で降りて、そこからは歩いて
狭く長い坂道を登ることになる。
春や秋は様々な花が咲いていて
長い坂を忘れさせてくれるけど
夏や冬はその坂道が地獄と化す。
夏は所々の急な勾配と陽射しで
朝から汗まみれになってしまう。
冬はさらに酷くて、雪が降ると
坂は凍結してしまい、ちょっと
バランスを崩すと転んでしまう。
だからだろうか、女子の制服の
スカートは他校よりも少し長い。
2,
通りは朝方と夕方は生徒たちの
行き帰りで賑わっているものの
それ以外の時間帯は付近に住む
お年寄りが歩いているくらいで
人を見かけることはあまりない。
だから学校を抜出ても住民から
通報されることはほとんどない。
ただお年寄りも男女交際だけは
敏感で、おたくの生徒が通りで
いちゃいちゃしてましたぞとか、
バス停でキスしてましたぞとか
通報してはことを荒立てている。
3,
その坂道の一つ向うの通りには
江戸期の有名な上人が建てたと
言われている寺が存在している。
そのため通りは門前町風造りで
山門前まで商店が連なっている。
その近くにあられ工場があって
終日その香りが街を覆っている。
その香りに包まれて生徒たちは
急な坂をダラダラと登っていき、
その香りに包まれて生徒たちは
坂をいちゃいちゃと下っていく。
2015年10月06日
ヘビとムカデとハエ
「ヘビ」
おれなんて胴体一本だけで
生きている動物だろう。だから
こうやって体をくねらせないと
前に進めないんだ。たまに
くねらせるタイミングが狂って
わき腹が攣ることだってある。
腹一杯だと体はくねらないし不便なものだ。
ムカデ君よ、その点君は楽でいいよな。
足がそんなにたくさんあるんだから。
「ムカデ」
何をおっしゃいますか、ヘビさん。
私はこれだけ足を持っているから
困っているんです。ここまで足が多いと
なかなか足並みが揃わないんですよ。
だからその一歩に時間がかかってしまう。
その一歩が出ないから、人から襲われる。
何度も何度も叩かれて亡くなった方を
私は知っています。足は取れ頭はもがれ
体はねじ切れ、それはもう悲惨でしたわ。
「ハエ」
その点ぼくは飛べるから楽ですね。
問題は生れた場所なんです。ぼくは
何度か転生してますけどね、今世が
一番悲惨だった。生れた所が糞の中ですよ。
しかもそれが郷愁になってしまって、
糞の臭いについつい誘われてしまうんです。
気がつけば、気が狂ったように糞と戯れ
糞まみれになって喜んでいる自分がいる。
この人生がぼくには我慢できんのです。
おれなんて胴体一本だけで
生きている動物だろう。だから
こうやって体をくねらせないと
前に進めないんだ。たまに
くねらせるタイミングが狂って
わき腹が攣ることだってある。
腹一杯だと体はくねらないし不便なものだ。
ムカデ君よ、その点君は楽でいいよな。
足がそんなにたくさんあるんだから。
「ムカデ」
何をおっしゃいますか、ヘビさん。
私はこれだけ足を持っているから
困っているんです。ここまで足が多いと
なかなか足並みが揃わないんですよ。
だからその一歩に時間がかかってしまう。
その一歩が出ないから、人から襲われる。
何度も何度も叩かれて亡くなった方を
私は知っています。足は取れ頭はもがれ
体はねじ切れ、それはもう悲惨でしたわ。
「ハエ」
その点ぼくは飛べるから楽ですね。
問題は生れた場所なんです。ぼくは
何度か転生してますけどね、今世が
一番悲惨だった。生れた所が糞の中ですよ。
しかもそれが郷愁になってしまって、
糞の臭いについつい誘われてしまうんです。
気がつけば、気が狂ったように糞と戯れ
糞まみれになって喜んでいる自分がいる。
この人生がぼくには我慢できんのです。