2015年06月

2015年06月30日

純正の睡眠

人生のある時点からぼくは
寝つきがわるくなりまして
長い年月睡眠不足のままに
生きてきたのでありました。
もしかしたらそれが祟って
何の自覚も持たないままに
奇人変人と呼ばれる行動を
取っていたかもしれません。

そこで他人さまにご迷惑を
かけてはならぬと思い立ち
かつての寝付きを取り戻し
睡眠不足を解消するんだと
この人生を修正しています。
色んな仕事が残っていても
眠たい時には無理をせずに
ゴロンと横に寝転んでみる。
もし眠ったらしめたもので
翌朝は早起きするんだから
仕事はその時にすればいい。

眠たくなればすぐに寝よう。
そうすれば眠れないからと
寝酒に頼る必要もないんだ。
それが人間の持って生れた
純正の睡眠本能なんだから
無理せず勘を取りもどせる。
慌てない焦らない騒がない
そうして初老の体を労ろう。


mengly at 23:15|Permalink詩風録 

ニャオ系の声

崖の上から吹き下ろす風が
地面を激しく叩きつけては
勢いよく跳ね返ってきます。
風は崖の下に転がっている
子ねこが鳴いているような
ニャオ系の声を絶え間なく
ぼくの耳元に運んできます。
あまりに長い時間続くので
ぼくはこの高い崖の上から
離れられないでいるのです。
本物の猫がいるんだろうか
赤ん坊の声かもしれないな
地球の悲鳴ではなかろうか
もしかして宇宙人の警告か
などといらんことを考える。
それもこれも跳ね返り風が
悲しいニャオ系の声をこの
耳元に運んでくるからです。


mengly at 06:26|Permalink詩風録 

2015年06月29日

もう一つの家族

ぼくら家族が住むこの家には
酷く好戦的で無慈悲で野蛮な
もう一つの家族が住んでいる。
ぼくらの姿を見つけるや否や
きゃーきゃーと奇声を上げて
はきもの片手に襲ってきたり
猛毒の液体を噴霧してきたり
時に凍死させようと試みたり
こちらの息の根を止めるまで
その手をゆるめず攻めてくる。
例えその場で取り逃がしても
通り道に罠を仕掛けてみたり
毒煙を撒いて住めなくしたり
とにかくぼくらを滅ぼそうと
手を替え品を替え攻めてくる。
しつこくしつこく攻めてくる。
ぼくら家族が住むこの家には
酷く好戦的で無慈悲で野蛮な
もう一つの家族が住んでいる。


mengly at 01:12|Permalink詩風録 

2015年06月27日

そう遠くない未来

そう遠くない 過去を乗り越えたら
そう遠くない 未来を語り合おう
そう遠くない 時間の中だから
そう遠くない 夢を語れるだろう

そう遠くない いまが来たなら
そう遠くない 過去の話をしよう
そう遠くない いまは昔の延長だから
そう遠くない 記憶をたどれるだろう

そう遠くない 未来が見えたら
そう遠くない いまの話をしよう
そう遠くない 未来を取り違えても
そう遠くない いまが繕ってくれるだろう


mengly at 08:19|Permalink詩風録 

2015年06月26日

あの星

あの星地球に似ているんだけど
どちらのほうが大きいんだろう
どちらのほうが明るいんだろう
どちらのほうが暖かいんだろう
どんな色の空が見えるんだろう
どんな星が夜をおおうんだろう
どんな風が吹いているんだろう
どんな花が咲いているんだろう
どんな香りに包まれるんだろう

きっとそこにも人はいるだろう
どんな心を持っているんだろう
どんな夢を抱いているんだろう
どんな家に住んでいるんだろう
どんな生活をしているんだろう
どんな会話をしているんだろう
どんな歌を唱っているんだろう
何を信じて生きているんだろう
やっぱり愛する人なんだろうか


mengly at 13:06|Permalink詩風録 

2015年06月25日

日影の窓

明るい日がさす建物にある
日影の窓をのぞいてごらん。
縦縞スーツに身をかためた
ハゲや白髪が見えるだろう。
ヤツらはそこの住人なんだ。
いかにも真面目そうだろう?
だけどハゲとか白髪とかは
真面目な人ではないんだよ。

互いの主張を日々繰り返し
味方についたり敵対したり
挙句の果てには大声上げて
罵り合ったり殴り合ったり
下手なケンカに明け暮れる。
実は、ハゲや白髪の住人は
そんな暇潰しをやりながら
予算を消化しているんだよ


mengly at 02:39|Permalink詩風録 

2015年06月24日

タイミング

ダダダダダと雨が降りだしました。
ゴロロロロと雷が鳴りだしました。
ピカカカカと稲妻が走っています。
これから嫁さんを迎えに行こうと
エンジンをかけたぼくにどうして
神仏はこの試練を与えるのだろう。
あまりにもあまりにもあまりにも
タイミングがよすぎるじゃないか。
もしかしたらぼくはいま「決死の
嫁さんお迎え行脚」なる修行でも
させられているのではなかろうか。
それはないでしょう神さま仏さま。
ダダダダダゴロロロロピカカカカ
前が全然見えないじゃないですか


mengly at 08:04|Permalink詩風録 

2015年06月23日

終らない恋

あの位置から見ていたからぼくは
君を好きになったに違いないのだ。
もし別の位置から君を見ていたら
そうはならなかったかもしれない。
なぜならぼくは未だに君のことを
何も知らないでいるからだ。夢も
趣味も嗜好も考え方もその性格も
幸せの度合いも不幸せの度合いも
そこまでの君がたどってきた道も
そこから君がたどっていった道も
ぼくはなにも知ろうとしなかった。
だからなにも知らないままなのだ。

ただ知っているのはあの位置から
垣間見ていた君の姿と淡い影だけ。
恋に陥る運命的な出来事もなくて
特に話をするような仲でもなくて。
もしかしたら経験したことのない
奇妙な気持ちのたかぶりを恋だと
勘違いしていだけかもしれないな。
だからその出会いを恋の始まりと
呼んでいいかどうかがわからない。
始まりがないなら終わりもなくて
ゆえにゆえに正体のないこの恋は
今も尚くすぶってっているのです。


mengly at 06:50|Permalink詩風録 

2015年06月22日

尖った明日

尖った明日がやって来るからぼくらは
身をまもる準備をしなければならない
例えそれが優しい明日だったとしても
来れば必ず衝撃の痛みを伴うんだから
それは針千本飲むよりも痛いんだから
油断することなく、気を抜くことなく
充分準備をしておかなければならない
尖った明日は必ずやってくるんだから
絶対、絶対、絶対やってくるんだから
とにかく準備をおこたってはならない


mengly at 01:14|Permalink詩風録 

2015年06月21日

生意気

・・・・・・・・・・・・・・けど、どこで
聞き覚えたのかは知らないが
草野球をやっている小学生が
ぼくたちに向って生意気にも
「ヘイヘイヘーイ」だなんて
言うんだよね。当時のぼくは
一応大人の歳だったんだけど
まだまだ若かったんだろうね
これにカチンときてしまって
「いま言ったヤツ出てこい」
と大声で怒鳴り散らしたんだ
その小学生たち最初の頃こそ
ヘラヘラヘラヘラしてたけど
この声の勢いに押されたのか
ことの重大さに気づいたのか
だんだんだんだん泣きそうな
顔になってい・・・・・・・・・・・・・・


mengly at 00:54|Permalink詩風録 

2015年06月20日

自己紹介

「神とか仏とかいうこの生命を
つかさどる『何ものか』は、
生きとし生けるものに差別なく
堅実な人生を授けている。
ところがその『何ものか』の
気まぐれなのか手違いなのか
時に宝くじ一等とか超万馬券とか
どう考えてもどう解釈しても
堅実な人生とはかけ離れたものを
ごく一部の人に授けることがある。

さて、そういうことを見聞きしても
ぼくはそのごく一部の人たちを
羨んだり妬んだりすることはしない。
なぜならぼくは自分のことをその
ごく一部の人だと思っているからだ。

ぼくは神や仏に堅実を願いながらも
心の奥底では常日頃
ごく一部の恩恵を望んでいる
ごく甘めな一般男子です」です。


mengly at 01:27|Permalink詩風録